上部頸椎カイロプラクティック

平衡感覚の微細な不具合をリセットしよう!

もし傾いた家に住んでいたとしたら健康被害が生じるのはよく理解できます。頭痛、めまいや肩こり、腰痛にはては食欲不振や睡眠障害にまで繋がりかねません。

くりまんさんによるイラストACからのイラスト

 

私たちは皆、脳を介して世界を見ている(感じている)ことは誰もが同意できますよね。 なので頭を”おうちのようなもの”と仮定した場合、土台は間違いなく”首”となります。今回はC1(第一頸椎)のズレが発生する背景を、バランス感覚に着目して掘り下げてみたいと思います。

 

耳には音を聴く聴覚だけではなく、平衡感覚を感じとる中枢があります。聴覚は単純に外部からの音を認知する器官ですが、平衡感覚ってちょっと不思議だと思いません?そこらへんのじっちゃんばっちゃん達が普通に乗ってる自転車も、乗れるようになるまでは私もそれなりに練習した思い出があります。

Mabel Amber, still incognito…によるPixabayからの画像

 

バランスに関与するのは内耳にある前庭器官です。前庭器官は重力と頭の傾きを検知する耳石器と頭の回転を感知する半規管の2種類があります。

”内耳には平衡覚に関与する半規管と前庭、聴覚に関与する蝸牛が存在する”

 

例えば高速道路で車をすっ飛ばした時にソワソワした感じがしますよね?(覆面に捕まらないかなってわけじゃなくて)あれはこの直径1〜5μm(光学顕微鏡で確認できるレベル)の炭酸カルシウムで出来た”耳の石”が有毛細胞を刺激することによって検知しているのです。だからその後120kmで走り続けたとすると体は何も感じることなく車を運転していられると言うわけです。

”定常飛行しているジェット機内でも同じ ” Defence-ImageryによるPixabayからの画像

 

難しい話になりますが私たちが不意に体のバランスをとる時、耳石器からの情報が延髄上部にある外側前庭神経核へ送られて前庭脊髄路を介して四肢の筋肉を制御しているのです。 半規管は頭の回転を感知しています。半規管からの情報は内側前庭神経核へ送られ、そこから内側縦束を介して体幹及び首の筋肉を制御しています。これは体が回転した時も頭を真っ直ぐに保つ役割を持っています。

”前庭器官からは常に頭を固定する為、首や体を安定させる反射が生じている” MarkによるPixabayからの画像

 

さらには前庭系からの情報を脳が受け取ることにより、空間内での体の位置を継続的にモニタリングしていると言われています。であるのなら何かの拍子でC1にズレが発生した場合、その誤情報が脳へと送られてモニタリングされ続けることになります。体は常に頭を真っ直ぐに保つよう脳から指令を受けますが、土台のC1が傾いていれば頭は真っ直ぐになったとしても代償作用で今度は体に歪みが発生してしまいます。上部頸椎カイロプラクティックのテキストにもC1のサブラクセイションにより、脊髄反射の制御が不能になり〜と記載されている通りです。

上部頸椎カイロプラクティックの検査では必ず足の長さと手の長さをチェックするのですが、大方の人は短足・短手が生じています。更にアジャスト後はこの微細なズレをリセットされるからか、ほとんどの場合短足・短手も解消されることになります。

このような人体の奥深いメカニズムに基づいて行われるからこそ、最も大事な箇所を必要最小限の力によってアジャストメント(調整)することが可能になってくるのでしょう。 BJパーマーが上部頸椎カイロプラクティックを称して”スペフィックカイロプラクティック”と名付けた理由が、こうしたところからも窺い知ることができるような気がします。

参考文献:上部頸椎カイロプラクティック 哲学・科学・芸術/神経科学ー脳の探究ー